旧白洲邸 武相荘(ぶあいそう)

最近、地方が熱いと感じます。IターンやUターンで田舎に住むことを推奨している、『TURNS』などの雑誌も増えていますよね。人生の楽園というテレビ番組がありますが、私も好きで将来は是非ともチャレンジしたいと考えています。そんな動きの最先端にいた人が白洲次郎、正子夫妻でした。そして、その2人の住み処が武相荘だったのです。

武相荘の歴史は1942年10月、白洲夫妻が当時の東京府南多摩郡鶴川村(現在の東京都町田市能ヶ谷)に農家を購入した事に始まります。田舎に暮らしたい理由は、戦火を逃れることと食糧難を予想してのことだと言われています。ただ、次郎氏が「カントリージェントルマン」を自称していたことからも、農業を楽しんでいたことを伺い知ることができます。敢えて中央の政争や喧噪から距離を置き、地方に在住しつつ中央の情勢に目を光らせていたのでしょう。そして、戦後の二人の活躍は説明する必要がないと思います。1985年に次郎氏が、1998年に正子さんが死去するまで、2人はここに住まい続けたことからも、この田舎生活が気に入っていたことがわかります。

小田急線鶴川駅から武相荘に向かうと、カレーハウスcoco 壱番屋やユニクロが見えてきます。その土地の奥に森があり、ファストフードやファストファッションとは対照的な武相荘が姿を現します。時間の流れが違う両者のことを考え、今後の日本を占うことも楽しみの1つとなっています。また、こちらを訪れたら、森の中に住まうということを想像してみてください。季節ごとに楽しめる木々や花々、食物連鎖をしている小動物達を見ていると、人間も動物なのだと再認識できるはずです。また、北風を避けるように配置された母屋は、自然の中で存在するための多くの策が考えられています。特に屋根は、調湿作用のある茅葺屋根であり、夏の陽射を遮りはしますが、冬には採光が可能な角度と長さになっていて、雨対策のためにも、開口部を守っています。建物を長持ちさせる仕組みや、エアコンが無くても生活できる仕組みがそこにはあります。自然に寄り添うと人は豊な生活を送ることができるのではないでしょうか。

(的場 敏行)

物件名旧白洲邸 武相荘(ぶあいそう)
所在地東京都町田市能ヶ谷7-3-2
最寄り駅小田急線 鶴川駅
賃料入場料1,000円
(小学生以下の入場はお断りします)
構造木造
総戸数1戸
築年月(築年数)不明
所在階/階1階